|
葛飾北斎
富嶽三十六景
★山下白雨
天保1〜天保3年(1830-32)頃
木版多色刷 横大判錦絵
25.5×37.7cm
冨嶽三十六景シリーズの三役にも挙げられる作品。
「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」とともに、「三大役物」と呼ばれる
《凱風快晴》と双璧をなすように、富士の堂々たる姿を表した本図は、
《凱風快晴》が「赤富士」と称されたのに対し「黒富士」と呼ばれた。
画題の「白雨」は夏の激しいにわか雨の意味。
赤富士が静的であるのとは対照的に描かれた作品です。
また、富士山の頂上付近と下界との天候の違いを描くことで
いかに富士が高い山であるかを視覚的に訴えてきます。
頂上がかなり急に描かれ、富士の高さが強調されています。
激しく輝る稲光。
迫る黒く染まった雨雲が、これから来るであろう俄雨を予兆しています。
また、この場所が、どこから見た図なのか、確定できていないようです。
拭き下げぼかし。
版木ではなく摺師が水分の調整でぼかす、
高度な技術が必要な部分。
PC(GIMP)ではなかなか上手く表現出来ない。
夏の入道雲がデザイン的に描かれており、
雲は和紙の肌を活かして描かれています。
*借用原図:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%
E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Lightnings_below_the_summit.jpg

|
|
|